佐倉市関係史料紹介
佐倉市に関係する史料を紹介します。地域史学習や歴史研究にお役立てください。
保受録 家老以下新番格迄 (ほじゅろく かろういかしんばんかくまで)
「保受録」は、佐倉藩政史料である「下総佐倉堀田家文書」(日産厚生会佐倉厚生園病院所蔵 佐倉市寄託)の佐倉藩士個人の役職や扶持加増などの履歴を記録した史料です。「保受録」には、寛政年間までに編さんされたものと寛政年間から幕末までの記録をまとめたものがあります。寛政年間から幕末までの記録をまとめた「保受録」には、藩士の身分ごとに「保受録 家老以下新番格迄」14冊と「保受録 徒以下末々迄」3冊があります。
「保受録 家老以下新番格迄」は、藩士の記録が家ごとに「いろはに・・・」順に系図形式で記載されています。佐倉藩堀田家中の給人層の履歴を知ることができる貴重な史料です。ほぼ同じ内容のものが、筆致が流れる崩し字で書かれたものと一画をかなり意識した書体で書かれたものの2種類残されています。おそらく、前者で書かれたものを後者で清書したと考えられます。今回翻刻には、清書されたものを底本として用いて、必要に応じて崩し字のものにて校訂しています。
「保受録 家老以下新番格迄」の翻刻は、今回「年寄部屋日記を読む会」がおこない、佐倉図書館市史編さん担当が編集を担当しました。
翻刻にあたっては、原本の体裁に留意しましたが、適宜文字の配列などを改めている部分があります。朱書部分は、赤く表示しています。必要があると思われた場合、カッコ書にて注を付けました。
抹消された文字がある場合には、二重線によって抹消を示しています。訂正文字がある場合には、右側に文字を挿入しています。判読ができない文字は、□で示しています。
※「保受録 徒以下末々迄」は、『佐倉市史料叢書 保受録 徒以下末々迄』(佐倉市 2003年)として刊行されています。
保受録 家老以下新番格迄 一
「保受録 家老以下新番格迄 一」(下総佐倉堀田家文書 C106)は、14冊ある「保受録 家老以下新番格迄」の第1冊目です。姓の頭文字に「い」を持つ40家が掲載されています。史料の法量は竪22.8cm×横15.8cm×厚2.4cmであり、表紙には題箋が貼付されています。本文は364帖(うち2帖白)あり、四つの孔が空けられ、孔ごとにそれぞれ糸綴されています。小口書は「保受録 イ一」と書かれています。
現在、史料に掲載されている40家のうち、2家を翻刻しています。未掲載の家は随時追加していきます。
表紙(pdf 17 KB)