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図書館ホーム > 仲町つれづれバックナンバー > NO.38~NO.56(2007.4~2007.5)

仲町つれづれNO.38~NO.56 ~佐倉図書館通信

仲町つれづれNO.56 2007年5月31日(木)
粗にして野だが卑ではない

作家の城山三郎さんが亡くなって2ヶ月が経とうとしています。21日には、東京で城山三郎さんの「お別れ会」が開かれ、たくさんの人が集まって故人の人柄を偲んだ、と新聞にありました。

城山さんは、昭和2年(1927)生まれ、藤沢周平や吉村昭とも同い年であり、これらは皆、青春が戦争と重なる人たちです。最初は、大学の教師(経済学者)をしていましたが、後に作家となり、経済小説の開拓者、さらには、伝記小説の名手として評価されています。
城山さんの作家としての原点は、海軍特別幹部練習生としての体験にあるようです。17歳で海軍を志願し、純粋であるが故に、どうしても書かずにはいられない体験をしたのです。その後、組織と人間をテーマにした『大義の末』(1959年 角川文庫)を書くことになります。そしてまた、このことを、生涯問い続けることになるのです。

『輸出』(1958年)で文学界新人賞、『総会屋錦城』(1959年)で直木賞、『落日燃ゆ』(1996年)で吉川英治文学賞、毎日出版文化賞、『もう、きみには頼まないー石坂泰三の世界』で菊池寛賞(1996年)などを受賞、この他いくつもの作品を通して、田中正造、渋沢栄一、本田宗一郎、中内功、広田弘毅、佐橋滋等、官民を問わず自分の琴線をふるわせた気骨のある人々を描き、自らの理想とする人間のありようを示しています。

私が、城山さんの作品で一番記憶にあるのは、石田禮助の生涯を書いた作品です。(きちんと読んだのはこれだけ、ということになるかもしれません・・・。)
石田禮助は、数え78歳で、第五代国鉄総裁に就いた人です。当時の国鉄の状況を考えれば、誰もが断っても不思議ではないこの職を、高齢にも関わらず、敢えて受けたのです。その理由を、中央公論6月号の『遺書、拝読(42)』から引用しますと、石田は「私の信念は何をするにも神がついていなければならぬということだ。それには正義の精神が必要だと思う。こんどもきっと神様がついてくれる。そういう信念で欲得なくサービス・アンド・サクリファイスでやるつもりだ」と語ったそうで、城山さんは<商売に徹して生きた後は「パブリック・サービス」。世の中のために尽くす。そこではじめて天国に行ける>と要約しています。
その後、石田は初登院での挨拶の中で「生来、粗にして野だが卑ではないつもり。ていねいな言葉を使おうと思っても、生まれつきでできない。無理に使うと、マンキーが裃を着たような、おかしなことになる。無礼なことがあれば、よろしくお許しねがいたい」と言い、さらに、「国鉄が今日のような状態になったのは、諸君たちにも責任がある」と痛烈な文句を口にしたといわれています。国会の挨拶としては、異色だったのではないでしょうか。

   『「粗にして野だが卑ではない」石田禮助の生涯』 城山三郎 文藝春秋 1992年
   『気骨について』対談集 新潮社 2006年
   『失われた志』対談集 文藝春秋 2000年
   佐高 信 『城山三郎の昭和』 角川書店 2007年 

仲町つれづれNO.55 2007年5月30日(水)
自転車図書館が、現る!
5月25日、久しぶりの雨。ちょうど昼時に、雨にぬれた出で立ちの、一人の青年が訪ねてきました。用件を聞くと、『百年の愚行』という写真集(A5判)の存在を世に広めるために、一昨年の1月に当時住んでいた岡崎市を出発し、行く先々でアルバイトをして旅費を稼ぎながら、自転車で全国の公立図書館を巡っているのだ、ということでした。

旅の途中からは、リヤカーのような改造自転車に、自前で作った水車形の本棚を取り付けて巡っているそうです(右上の写真参照)。すでに北海道と東北地方を終わり、今年から2ヶ月かけて都内をまわり、千葉県内に入ったのだということです。

この写真集は、環境問題を考えるNPO「Think  the Earthプロジェクト」が出版したものです。世界の紛争地域の被害者や環境汚染などの写真約100枚が収められています。彼は、この本によって人類の愚かな行為を直視させられ、自分は何をなすべきか考えた結果、その本を持って全国行脚し、購入を呼びかけているのだ、といいます。

「当館では、環境問題に関する本の展示コーナーを常設している」(右下の写真参照)等の話をした後で、彼は「これから県内を約2週間かけて一周する予定だ」といって、志津図書館に向けて出発していきました。
ちなみに、ここから志津図書館までは、1時間15分ぐらい要したようです。

*『百年の愚行』(紀伊国屋書店 2002年)
仲町つれづれNO.54 2007年5月29日(火)
いっしょに遊んで笑いあう、だから楽しい!

前回の3月に続いて、5月24,25日の2日間で計4回、「絵本で遊ぼう0~1才」の講座を行いました。合計27組の赤ちゃんとその保護者に参加していただきました。この5月は、真夏のように暑かったと思えば、雨が降って肌寒かったり・・・と、例年に比べて定まらない気候で、体調を崩してしまって不参加の方もいました。これからの雨の季節、ぜひおうちの中でも、元気に楽しく、絵本で遊んでくださいね。

仲町つれづれNO.53 2007年5月22日(火)
澁澤龍彦、美術の旅

今なお息長く読まれている作家の一人、澁澤龍彦(1928-1987)は、批評家・仏文学者でもあります。今年は、没後20年にあたり、それを記念して、展覧会や出版物の刊行が相次いでいます。

先月末に、埼玉県立近代美術館で開催されていた「澁澤龍彦-幻想美術館」展を見てきました。
カタログは、一般書籍として、平凡社から刊行されているものでした。
澁澤が、自由な芸術論やエッセ-のなかで取り上げた美術家の作品を中心に集められた展覧会で、約300点が展示されています。資料も充実しており、澁澤独自の好みと美意識を改めて感じ取ることが出来ました。
会場の展示は、澁澤の生涯を編年でたどっておました。第Ⅰ室「澁澤龍彦の出発」から、「1960年代の活動」、マニエリスムからシュルレアリスムにいたる幻想美術の紹介、日本の古典美術の再発見、そして晩年に入ってからの「旅・博物誌・ノスタルジア」、最後は小説『高丘親王航海記』(1987年)を中心とした「高丘親王の航海」という構成になっています。
作家で言いますと、古くはデューラー、ブリューゲルなどから、現代作家まで。

なお、江戸時代の伊藤若冲、葛飾北斎、酒井抱一なども紹介されていて、意外でした。

澁澤は、自分の好きな絵を、好きなように紹介してきたが故に、多くの読者に啓示と共感を与え続けているのではないでしょうか。今もなお新鮮で、自分の想像力や観察力を磨く、よい機会となりました。 
また、この展覧会には、展示作品を見ながら、そのまま昭和史を辿りなおす、という意味もこめられていました。

 『澁澤龍彦全集』  河出書房新社   1993-95年
 『高丘親王航海記』 文藝春秋社    1987年 <読売文学賞・小説賞>
 『澁澤龍彦の古寺巡礼』 平凡社    2006年

仲町つれづれNO.52 2007年5月20日(日)
ある日の仕事(後編)

前編より、続く。(前編は、仲町つれづれNO.50を参照のこと)

12時50分。千代田小学校に到着。移動図書館車の業務のヘルプを行う。1年生は、まだ不慣れな様子だが、2、3年生は、昇降口から走ってきて、争うように借りていく。まるでバーゲン会場のよう・・・。

14時。佐倉図書館にもどる。外回りから帰ってくると、たいてい2~3件の電話伝言メモやメールがある。チェックしていると、佐倉小学校の先生から読書普及事業についての電話が。忙しい先生からのせっかくの電話、ゆっくりお話したいところではあるが、早々に切り上げて、また出発。

15時15分。京成成田駅に到着。ちょうどいいバスがなかったので、徒歩で成田山参道から境内をぬけて、成田国際文化会館に向かう。


15時50分。ホールで開催されている新刊図書展示会を見る。新しく出版された本を中心に内容をチェックし、購入したい本を選定する。現物を見ると、つい買いたくなるのが人の常。なので、実際の注文は、後日(冷静になってから)、図書館にてデータ発注をすることに。

17時。展示会終了とともに会場をあとにする。帰りも徒歩で駅に向かう。今日のビールは美味いだろうなあと思いながら、帰途に就く。(完)

移動図書館車の中も外も、おおにぎわい!
仲町つれづれNO.51 2007年5月18日(金)
「本屋大賞」というもの

今、小説に贈られる数々の賞の中でも、一番売り上げに結びつくのがこの賞だ、といわれています。
もともと、本屋さんが本が売れない状況を打破するために、一番売りたい本を選ぶということで始められたということです。
4回目の今年は、
佐藤多佳子さんの『一瞬の風になれ』(全3巻・講談社)に贈られました。この本は、長さを感じさせない、また、読後なんとも爽やかな気持になれる小説です。なんと受賞後に41万部が増刷されたということです。編集者の間では、受賞したら10倍売れるといわれる中で、驚異的な数字だとか。
昨年は、リリー・フランキーさんの『東京タワー オカンとボクと、
時々、オトン』(扶桑社)が受賞しています。この時も、永江朗さん(「本はどのように読まれているのか?」(『図書館の学校』No75))によると、初版2万5千部で、07年2月末のデータでは37刷210万部。文芸作品は、初版が5千部から8千部が通常といわれていますので、作家にとって初の長編小説としては、これまた破格なことだったといえます。

これはこれで喜ばしいことでしょうが、一方、「『目利き』の本屋さんたちが、日の当たらないとっておきの一冊を教えてくれるのかと思ったら、何のことはない、ベストセラーの追認ばかりでは意外性ゼロ」(『群像』5月号の「侃侃諤諤」)という見方も、あるようです。

なお、この佐藤多佳子さんの『一瞬の風になれ』は、直木賞の候補にも挙げられ、さらに、第28回吉川英治文学新人賞も受賞しています。また、佐藤さんが初めて大人向けに書いた小説と呼ぶ『しゃべれどもしゃべれども』(新潮社、1997年)は、映画化されて、5月26日から全国公開されました。こちらは、97年度「本の雑誌」ベストテン第1位に輝いています。原点であるこちらの作品も、あわせて楽しんでみてください。

【新人賞三冠】新人賞の三大タイトル、芥川賞、野間文芸新人賞、三島賞を総ナメにすることを三冠というそうです。現時点では、市内在住の作家である笙野頼子さんだけが到達し得ている、ということです。

仲町つれづれNO.50 2007年5月16日(水)
ある日の仕事(前編)
図書館での仕事といえば「静かな館内でカウンターにゆったり座って」というイメージでしょうか?
今日は、なんと一日外回りの日、いわゆる営業となりますでしょうか。とはいえ行き先は様々、仕事も様々でした。

朝、8時30分。前日の夜間に受付した予約処理、予約メール本の確認等々、いつもの開館前準備作業を慌ただしく終えて、本日最初に向かう先で使用する絵本を確認。
(前の日までに準備しておけばいいのだが、つい毎回ギリギリまで、何の本を持っていこうか考えてしまう。)
本日午前中に来館予定の団体貸出利用者への資料を、カウンターの補佐員さんに託して出発。

9時20分。臼井保育園に到着。団体貸出の本(乳幼児向けパック)を事務室に預け、早々に園児の待つ教室に向かう。今日は職員2人で訪問したので、1歳児~5歳児まで、各クラス30分づつ、給食の時間前まで、絵本の読み聞かせを行う。天気もよかったので、園庭開放に来ていた親子にも、園庭で読み聞かせ。

11時45分。おいしいと評判のラーメン屋で昼食。限定ラーメンを堪能し、次の場所へ。(後編へ続く)
5歳児クラスでの読み聞かせの様子。
みんなの目が、ピカピカ、キラキラで
絵本にくぎづけです(お見せできなくて残念!)
仲町つれづれNO.49 2007年5月15日(火)
千葉県子どもの読書推進フォーラム

客商売なら書き入れ時、家庭人なら家族サービスに勤めるはずの12日(土)、県文化会館の小ホールで行われたフォーラムに参加しました。
というのも、仲町つれづれNO.42でお知らせしましたように、当市の図書館が表彰されまして、このフォーラムで事例発表をすることになったからです。

当日は、東京練馬区ですずらん文庫を主宰されている渡辺順子氏の講演「絵本が結ぶ家族の絆」もありました。「人間を人間として育てるために、小さい時からの人間的な関わりが必須」という渡辺さんのお話に、深くうなずけるものがありました。

いただいた表彰状は、入り口に飾りました。一人ひとりの力としては小さいことでも、「「自分の身近なところで」「自分のできる範囲で」子どもたちのことを考えて活動を続けてくださっている方が、佐倉市にはたくさんいるという証です。ぜひ見にきてくだい。

仲町つれづれNO.48 2007年5月11日(金)
母語なりし、日本語よ
今、自分が日常的に読み書きする日本語が、あやしくなってきていることを痛感します。
社会的にもそうなのか、日本語についての様々な本が出版されています。なかでも
「世に語源と名づく書もさまざまあり、最近の日本語ブームとかで盗作まがい、似非物も横行している。今の日本は素人もプロも区別なし。思いつきの無責任な発言に研究者のはしくれとして責任を痛感する」と言う、著者の本を紹介します。
それは、杉本つとむ著『気になる日本語の気になる語源』(東京書籍、2006年)という本です。ごく身近な日常の日本語の語源について書かれています。
「日本語の真の姿をできるかぎり歴史的視点に立って読者に提供したい」という著者は、例えば、どら息子、どさくさ、ピンぼけ、ピンからキリまで、馬鹿、御小水、藪医者、気の毒、てんやわんや、天手古舞い、八つ当たり、下らない等々、何の疑いもなく普段用いている語でも、なるほどそうかと思うほど、一語一語に波乱万丈の歴史がある、ということを考証しています。それはまた、人の人生にも似ているし、文化を語ることでもあるといえます。

いずれにせよ、『和名類聚抄』(最古の百科事典・10世紀)、『雑字類書』(15世紀)、『和漢三才図会』(江戸中期の百科事典)、『嬉遊笑覧』(江戸後期の分類百科事典)、『俚言集覧』(江戸語の辞典)、『早引節用集』(宝暦・小国語辞書)、『日葡辞書』(1603年)、『厚生新編』(1808より始まる翻訳書、西洋百科事典)、『新撰字鏡』(900・最古の国語辞典)などから、黄紙本、滑稽本、人情本、洒落本、川柳集、古事記、万葉集、近代・現代文学等々、いろんな文献が、考証に、用例の引用として縦横無尽に駆使されています。

昔、著者の授業を受講したことがあります。その思い出とは違って、実におもしろい本になっています。
日本語研究一筋である著者は、ちょうど80歳になられるようです。『異体字研究資料集成』(全20巻)などの労作が多数あります。最近の集大成は『語源海』(東京書籍、2006年)という大辞典です。
仲町つれづれNO.47 2007年5月8日(火)
GO!GO!おはなし会
         

5月5日のこどもの日は、初夏のような暑い陽気でした。あちらこちらに遠出をする方も多い連休の真っ最中でもありましたが、佐倉図書館では「こどもの日!GO!GO!おはなし会」をやっていました。おはなし会の後は、広告を使って、紙でっぽうやかぶと、こいのぼりを作って遊びました。特に紙でっぽうは、手軽に何度でも作れて、いい音が鳴ると、かなりの快感!「とても楽しい企画なのに、参加者が少なくてもったいない!」と参加した保護者の方から感想をいただきました。忙しい中、参加してくれたみなさん、どうもありがとうございました!

仲町つれづれNO.46 2007年5月5日(土)
春の野草 in 仲町

すべて、仲町から中尾余の坂に出るまでの道端に咲いていた、野の花々です。
ナズナ(ペンペン草)、カラスノエンドウ、ヤブヘビイチゴ、ハルジオン、そして、ヨモギ。

菖蒲だけは、お店で買ってきました。

今夜は、菖蒲湯に入りましょう!

なぜ、菖蒲湯なのでしょうか?・・・その答えは、
「くわずにょうぼう」(福音館書店、1980)という日本の昔話を読むと、わかりますよ。

仲町つれづれNO.45 2007年5月4日(金)
♪やねよ~り~た~か~い♪
せっかく飾ったこいのぼりも、やっぱり明日で終わりでしょうか。館内を泳いでいたこいのぼりも、明日でしばし見納め、片付けなくては!

明日は「こどもの日」、佐倉図書館では、GO!GO!おはなし会(PDF形式:148KB)を行います。遠出もいいけど、お近くの方は、ぜひ親子で図書館までお出かけください。
「ぼくの☆わたしのすきな本!」の作品展示(PDF形式:278KB)も、13日までやっています。ぜひ見に来てください。
仲町つれづれNO.44 2007年5月3日(木)
アネモネに魅せられて


緑陰読書にふさわしい天気が続いています。図書館は連休中でも開館しています。
ぜひ足をお運びください。
今朝、利用者の方からアネモネの花をいただきました。アネモネは、古来より「キリストの赤い血の滴」といわれており、その色鮮やかで可憐な美しい花に、改めて愛おしさを覚えました。早速館内2ヶ所に飾らせていただきました。ありがとうございました。

この花を見ていると、オディロン・ルドン(1840年-1916年)の絵を思い出します。彼は象徴主義文学の影響を受け、モノクロームで夢幻や神秘の世界を求め続けた作家ですが、晩年は色彩豊かな世界を表現しています。特にパステルを多用しての、鮮やかで繊細な色の粒子から生み出される色の魔力、色の饗宴ともいうべき表現に圧倒されます。

花といえば、今月15日に発売される瀬戸内寂聴さんの「秘花」(新潮社)を楽しみにしています。この作品は4年がかりの調査を経て、72歳で佐渡へ島流しにあった世阿弥の晩年を書き下ろした力作です。
寂聴さんは今月で満85歳を迎えられます。島流しという運命をどう受け入れ、老いとどう向き合い、そして、どう死を迎えたのか、彼女自身の問題として、書いているようです。


「生きているうちが花」という言葉もあります。ちなみに、アネモネの花言葉は「儚い希望、恋の苦しみ、儚い恋、消える希望」。希望を持って、生きたいものです。
仲町つれづれNO.43 2007年5月1日(火)
マルチアーティスト「原マスミ」
よしもとばななの表紙絵や挿絵を書いている「原マスミ」。現在、目黒区美術館開館20周年記念シリーズの1つとして、美術家としての初期から現在までの全軌跡を紹介する展覧会が行われています。

原マスミは、1955年千葉県生まれ、ミュージシャンとしてライブ活動を始めて1982年レコードデビューし、全国各地でコンサート活動をしています。その一方、イラストレーターとしてレコードジャケットや雑誌へイラストを提供したり、本の挿画なども手がけています。またナレーションや声優にも取り組むなど、マルチプルな活動を続けています。

もともとは、原マスミのファンでアルバムを愛聴していたよしもとが「哀しい予感」(角川書店・1988年)の表紙絵を依頼したことがきっかけのようです。その後、共同して仕事をしています。
例えば、「SLY」(幻冬舎・1996年)。1995年の春のエジプト旅行がベースの書き下ろし作品で、原マスミも同行しています。書中にエジプト衣裳をまとい、謎の楽器を奏でる原マスミの写真を発見することが出来ます。遺跡の中にチャドルをまとった女性像などが登場する作品がたくさん使われています。
また、アルゼンチン、ブラジルを取材した「不倫と南米」(幻冬舎・2000年)、タヒチを取材した書き下ろし作品の「虹」(幻冬舎・2002年)などの表紙絵、装画はいずれも大きな眼をした、アルカイックというか、土俗的というか、独特なフォルムと明快な色彩で迫ってきます。これは、原マスミの音楽にも共通する世界だと思います。

マンガ本や超ミニ絵本「すごくみじかい絵本」、「泉のたてごと」などの絵本もあります。目黒区美術館の展覧会は、原マスミの縦横無尽にジャンルを越境する仕事ぶりを一度に体験する格好の機会といえます。

(注)よしもとばななは、子どもを妊娠中に名前を考えて姓名判断をしたところ、自分の名前こそ運勢が悪いことがわかり、ペンネームを「吉本ばなな」から「よしもとばなな」に改名したそうです。
仲町つれづれNO.42 2007年4月25日(水)
佐倉市の図書館、表彰!

4月23日は、ユネスコでは「世界本の日」、日本では「子ども読書の日」でした。その記念行事「子どもの読書活動推進フォーラム」が国立オリンピック記念青少年総合センターで開かれました。その席上で、当市の図書館は「子どもの読書活動優秀実践図書館」として文部科学大臣表彰をいただきました。

わが国では、読書の持つ計り知れない価値を認識して、平成13年12月議員立法により、「子どもの読書活動の推進に関する法律」が施行されました。
佐倉市においても、平成17年度に「佐倉市子ども読書活動推進計画」が策定され、それに基づいて図書館でも、マタニティから、0~1歳児、2~3歳児、就学前児童、小中学生、ヤングアダルトまで、子どもを対象にした様々な事業を展開し、その具現化に努めているところです。

今回の受賞は、永い間の指導者ならびに先輩職員の努力に与るところだと思います。また、子どもの身近にいる保護者や先生、地域の方々の、読書活動を通じた、目には見えない地道な、けれどもとても暖かい子どもとの関わりが、継続的にあったからこそ、です。この場を借りて感謝申し上げます。
これを機会に、横の連携を一層深め、子どもの読書活動の充実に精励してまいりたいと思います。

  壇上にて池坊副大臣から
 直接表彰状をもらったのは、
 残念ながら代表団体のみ
仲町つれづれNO.41 2007年4月21日(土)
佐倉高校記念館の設計者

現在、東京駅周辺では大規模再開発が進められていて、行くたびに通路が変更になったりしています。赤レンガの東京駅舎も、現在改修中です。この建物は、建築家辰野金吾(1854-1919年)により設計されましたが、時代の要請により旧来の駅舎に復元されるということです。
文学の世界でも、初物好きだった正岡子規は、総武鉄道の開通時に佐倉にも来て作品を遺していますし、夏目漱石芥川龍之介など、好んで鉄道を描いた作家は、少なくありません。

また、周囲を見ても総じて団塊の世代にも鉄道好きが多いようです。日本経済新聞「春秋」欄(4月3日)によると、作家・関川夏央さんがその理由を「国鉄全盛期が希望ある貧乏な高度成長期と重なるから」と解説している、とあります。

久野節(みさお)という建築家をご存知でしょうか。生涯において数多くの駅舎建築を設計したことから、ターミナルアーキテクトの第一人者として評価されている人です。
久野は、明治15年(1882年)2月21日に元岸和田藩士の長男として東京に生まれ、東京帝国大学工科大学建築学科を卒業して、千葉県に採用されました。
明治41年から千葉県庁舎の建築工事に携わり、明治43年(1910年)には旧制佐倉中学校校舎(現在の県立佐倉高校記念館)を設計しています。この建物は、旧佐倉藩主堀田正倫伯爵の寄付によって建設されたもので、建物の規模は222坪。大事に保存され、一昨年の7月に国の登録有形文化財に指定されました。彼の作品歴からすると、珍しい作品のひとつだといえます。

久野は、その後明治44年(1911年)8月に鉄道院へ移り、鉄道院中部鉄道管理局技師となり、鉄道一筋の道を歩むことになります。大正9年(1920年)5月15日付で鉄道省工務局建築課が新設され初代課長に就任し、昭和2年(1927年)3月退官までの間、東京鉄道病院、横浜駅、大宮工場、大井工場等々の設計に当たりました。
また、昭和2年に久野建築事務所を設立してから手がけた建築物は、浅草雷門駅、南海ビルディング(難波駅)、宇治山田駅(登録有形文化財)、阪神三宮駅、京浜品川駅、昔の京成上野駅(2006年に解体)、中山競馬場、東京競馬場などがあります。
昭和16年(1941年)ごろ事務所は閉鎖され、戦後は建築家としての活動をせずに、昭和37年(1962年)8月7日80歳で亡くなりました。

*久野節については、『鉄道ファン』5月号「東京鉄道遺産をめぐる7」において、小野田滋さんが東武浅草駅について書いていますが、そこから、引用させていただきました。
仲町つれづれNO.40 2007年4月19日(木)
東京タワ-に何を想う?

先日、映画『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』が公開されました。オカン役は樹木希林さん(若い頃のオカンは希林さんの一人娘の内田也哉子さん)で、独特の存在感を持つ彼女ならではの演技力に加えて、癌患者としての体験など個人的な思い入れなども絡み合い、リアリティに満ちたものとなっているようです。原作の小説とは、また違った感動を誘うことでしょう。
樹木希林さんは「文藝春秋」5月号に、次のように書いています。

小説『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』(扶桑社2005年)がまだ雑誌「en-taxi」に連載されていた頃、「リリー・フランキーという外国人みたいな名前の日本人が書いているんだけど、おもしれえんだよ」と読むように勧めてくれたのは演出家の久世光彦さんで、彼が一年前に突然亡くなる直前まで奔走していたのが、「東京タワー」のテレビドラマ化だった。

多くの人の共感を得て社会現象となった、この映画の原作である小説は、亡き母への思いを書いた自伝でもあり、あっという間に210万部を突破、一大ベストセラーとなりました。図書館の本も、一時ほどではありませんが、現在なお213人が予約して待機しています。

仲町つれづれNO.39 2007年4月11日(水)
春は曙、旬菜に思う
今年は、異常気象で一気に春がやってきました。春となるとパァーと一気に咲き出す花の見事さは、クラッシックの名曲(ヴィヴァルディ、シューマン)などからも感じ取ることができますが、春は待って、待ち焦がれて、ようやく迎える季節であったはずです。私たち人間も、寒さ冷たさにたっぷり耐えたあとでなければ、春のうれしさを十分味わえないのではないか、と思ったりします。
フキノトウ、のびる、土筆、山うど、たらの芽、こごみ、わらび、ぜんまいなど。春の野山の苦味やえぐみを求めるようになったのは、いつの頃からだったか、この季節の便りである山菜が気になってしようがありません。山菜をベースにした果実酒まで飲んだりしています。年を重ねた果報かもしれません。


スローフードという提案をご存知でしょうか?ハンバーガーなどのファーストフードの格好のマーケティング用語となり、本来の意味が正確に伝えられていないようにも感じますが、この運動は1986年北イタリアの田舎町で始まった、と言われています。
『スローフードな人生!』(新潮社 2006年)という本の著者である島村菜津さんは、大学でイタリア美術史を専攻した人で、十数年にわたってイタリアを取材した折、スローフード運動に出会い惹かれていったということです。あとがきに「スローフードな食卓は、親と子をつなぎ、恋人たちをつなぎ、都市と農山漁村をつなぎ、南半球と北半球をつなぎ、人と自然とをつなぐ。破綻しかけている人類と地球との関係を思えば、私たちは今、人類がかって経験しなかったような岐路に立たされているのかもしれない。だからこそ、愛と笑いに満ちた『スローフードな食卓』の親和力こそが頼りなのだ。」と書かれています。
国内でも「食育」ということが言われ、佐倉市でも早くから学校給食への地場産物の導入を始めとして、食育を中心とした健康教育の推進に努めています。生きるために必要不可欠な「食」。春の息吹をいただきながら、あらためて考えたいものです。
仲町つれづれNO.38 2007年4月10日(火)
仲町の春

3月末から公私共に慌しく、気がつけば4月も中旬。花見もまだだったことに気づきました。気持ちよく晴れた日の朝、京成佐倉駅から職場まで出勤する時に、上を見ながら、いつもよりゆっくり歩いてみました。

そこには、優しい春色の花の向こうに、気持ちのよい青空が広がっていました。

商店街の店先には、色とりどりの花が植えられたプランターが並んでいました。これは千葉の観光を全国にアピールして、千葉県の魅力を知ってもらう、という「ちばDC(デスティネーションキャンペーン)」の一環で、配置されたものだそうです。
              
4月は、佐倉城址公園の市民さくらまつりほか、佐倉ふるさと広場のチューリップまつり(4月11日から15日)や、佐倉図書館前の通りでも、佐倉時代まつり(4月30日)などが行われます。

何か新しい発見があるかもしれません。足を運んでみてはいかがでしょうか。
                                                       
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